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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
自分の中で、コーヒーにつながったことなど をつぶやいています。

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ルワンダ・フギ・バホ ナチュラル
アフリカ内陸の小さな国、ルワンダ。
四国の1.5倍くらいの大きさで、アフリカでは最も人口密度が高い国 です。
平均標高が1600mの、”千の丘の国”と呼ばれる高原地帯の国。

ルワンダのコーヒーは、ほぼ水洗式です。
2017年にやっとナチュラル精製の輸出の許可がおりました。
”水洗式”の精製方法のためルワンダ内には 2017年の時点で 350ものCWS(Coffee Washing Station)という精選所があります。

  その中から、前回は ココCWSのハニーを紹介しましたが、今回の豆は
  南部州のニャングル郡にあるバホ地域から、フギCWSのナチュラル精製の豆 です。

      とってもとっても綺麗な、繊細な顔の豆です。
      アフリカ特有の強さ”んぎゅっ!”という感じがありません。
      同様に、アフリカの”どん!ぐっ!”というさんみもなく、爽やかで透明な酸味を持っています。
      小規模農園での丁寧な管理のせいでしょうか。


ルワンダは前述のとおり高原の国なので、コーヒー農地も
山間の狭い土地や傾斜地に限られるため
、必然 小規模な農園になります。
効率を考え、豆を精製するためにはCWSに集められます。
            豆を精選する
                                豆を精選する





今回の豆のCWSである”フギCWS”を所有するのは、バホコーヒー という会社。


   バホコーヒーのオーナー エマニュエル・ルサティラは、田舎のコーヒー栽培農家の生まれの長男。
   子どものころから後継者として扱われ、手伝わされて、珈琲の仕事が嫌で仕方なかったそう。
   しかし。大きな転機がありました。
   1994年。まだ子どもの頃。母親を、亡くします。
     あまりの惨事が重なった年、自殺を試みました。
   が、その時に思い出したのです。
 「私が死んだら、一生懸命働き、家族の面倒を見なさい。そうしないと、犬の食われるよ」
  (『犬に食われる』とは、『人生に失敗し役立たずな人間になる』という意味を表す)

              ・・・この日、エマニュエルは、やるぞ!と決心したのです!

   それからは、教師やRwacof(多国籍輸入会社の子会社)などを経て、
   農家ともっと密接になるために会社を辞めて独立します。

…こうして立ち直り、ぐいぐい実力を伸ばしていきました。


Baho(バホ)というのは、地域の名でもありますが、エマニュエルの会社の名前でもあります。
『バホコーヒー』という輸出会社です。
バホコーヒーはいくつかのCWSを管理していますが、現在 『フギCWS』 『ムゾCWS』 『ヒュームレCWS』 『ブゴイCWS』があり、
今回の豆は『フギCWS』で精製したもの、というわけです。

  CWSの課題の一つに、珈琲の皮による環境汚染の問題があります。
  コーヒーの菌や酵母、酸性のPHレベルが、土壌や周囲の環境に悪影響を及ぼすのです。
  そのせいで土壌の栄養も低下し、結局コーヒーも 生産性や品質の悪化を起こしてしまう という悪循環になってしまいます。

エマニュエルは!
今回の豆の『フギCWS』に、初のバーミコンポストを設置しました。
ミミズを含むプロセスで、無害に有機物を土に戻せるので
これは素晴らしい設備なのです!

一方『ブゴイCWS』では、伝統的な発酵鍋”インタンゴ”を使って豆の発酵を行っています。
インタンゴは熱を吸収しないので発酵が遅く、珈琲豆が熱を持たずにいられるのですって。
        ルワンダのインタンゴ
                        インタンゴという発酵鍋


『ムゾCWS』は、一番小さいCWSですが、品質レベルはトップなのだとか。
エマニュエルのもと、持ち込む栽培農家さんは「本当に地道に頑張ります。

BahoCoffeeの労働ソングも、あるのだそうですよ。

          女性や子どもが活躍




  そんな悲しみと努力の塊の人々が作り上げたコーヒー。
  高品質特有の美しい甘い酸味と、
  ハッとこ心が晴れるような第一印象を、
  味わってみて下さいね




             







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テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

アフリカ | 20:20:17 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
りんさん、こんばんは^^

コーヒーは好きですが、コーヒーのことについてよく知りません。
ルワンダのコーヒーも知りませんし、飲んだことも無いですが
とにかくコーヒーのあの香りが大好きです。
そして趣味でコーヒーカップを集めていますが。
2021-05-19 水 22:56:31 | URL | ごくしげ [編集]
ごくしげさん
ごくしげさん、拝見するのが遅くなり申し訳ありません。
いつも見に来てくださってありがとうございます。
…コーヒーを楽しむのに、知識なんて邪魔だと思いますよ、私は。
何も知らないで味わえるほうが、ずっとずっと素直に楽しめると思うのです。

コーヒーカップって、いいですよね!
カップで味も違って感じられますもん。

私ね、珈琲の仕事をしていますが、皆さんにお伝えしたいのは
コーヒーの周りの背景を楽しんでほしい、ということなのです。
味だけではない。文化も、一緒にあるお菓子やパンも、音楽も、歴史も、
世界各地の生活も、…
いろいろな方向からコーヒーを楽しんでほしいのです。

だから。
ごくしげさんの楽しみ方、私は嬉しい。素敵!
2021-05-26 水 20:39:29 | URL | コーヒー案内人 りん [編集]
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