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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
自分の中で、コーヒーにつながったことなど をつぶやいています。

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コーヒー、あるエッセイ
珈琲が好きだ。
色、音、待っている時間、湯気・・・
『コーヒー』というコトバの音の響き。
『コーヒー』と聞くだけで、『珈琲』と文字で見るだけで、
珈琲がある空間の落ち着き、ゆったり時間 を想像する。



実は私、あまりコーヒーを飲みません。
ちょっと、で、いいんです。
でも、その”ちょっと”が、大事なんです。

・・・そして、
ある雑誌で、ステキなエッセイを見つけました。
その内容は、だいたい こんな、感じです。

                         

 『コーヒーは家では飲まない。』

 先日、鎌倉から東京に戻ろうとして駅の時刻表を見たら、湘南新宿ラインが到着するまでに25分くらい時間があった。 
コーヒーが一杯飲める。
 そうひらめいて、2本前の横須賀線に飛び乗り、隣の北鎌倉駅で降りた。・・・
改札口から30歩ほどの距離に小さな喫茶店があるのを思い出したのだ。・・・
唇に火傷をしないようにささっと飲み干し、店を出てまた30歩。すぐ「まもなく一番線に・・・まいります」というアナウンスが聞こえてきた。
もし北鎌倉の住人だったら、いつもこの喫茶店に寄ってコーヒーを飲むために、15分速く家を出るだろう。
長い文章の中の「、」や「。」みたいな存在の、申し分のない喫茶店だと思う。


ぼくは仲間うちではコーヒー好きな男で通っている。だけど時々、果たして自分は
本当にコーヒー好きなのだろうかという疑問がもくもくわいてくることがある。
そもそも、家ではコーヒーをまったく飲まない。事務所で淹れてもらったコーヒーも実は飲まないことが多い。
室内が良い匂いで満たされてきたとしても、出勤前に近所のコーヒースタンドに寄ってテイクアウトした紙コップ入りのアメリカーノを手放さないのだ。

カリフォルニア州の北のほうにある町に、よく泊まるモーテルがあって、
アメリカの安宿にしてはめずらしく部屋でコーヒーが飲めるようになっているのだが、一度もそれを試したことがない。
・・・モーテルの向かいにあるカフェまでコーヒーを飲みにいく。
並んでいる人がちらほらいて、
・・・どうやら先頭に立っていたのは、近所に住むなじみの客なのか、朝の挨拶から始まって世間話が続く。
後ろに行列している人たちが先を急いで咎めるような素振りを見せることもなく、
自分の番が来たら同じようにまた世間話を始める。
やがて客同士も何かをきっかけに話しだす。
こういう光景を眺めていると、コーヒーを提供するこのカフェが町の中で生き生きと機能していることがわかるし、
おいしいコーヒー以上の何かを自分がいま味わえているような気がしてくる。
それが楽しいからモーテルの部屋にあるコーヒーに手をつけず、通りの向かいまで
歩いて飲みにきたのだと納得もできるのだ。
 
 旅先のどの町でもそんな場所を探してしまう。
町のみんなから求められている役割をきちんと果たしているコーヒー店が見つかれば、それだけでよその土地が親密に感じられる。
味は二の次。
そう言ってしまうと大きな誤解を招くかもしれないけれど、町いちばんのコーヒーショップが、
一番おいしいコーヒーを出す店を意味する と、僕は必ずしも思わない。
とても居心地の悪い場所で飲む究極の一杯にありがたみは感じないし、逆に、
長いドライブの途中で寄ったガソリンスタンドのコーヒーが、
代金を払うと紙コップをくれてセルフサービスでポットから注ぐような作りおきだったとしても、
自分を労わってくれるとても有意義な飲み物になることもある。

もしコーヒー好きという言葉が、珈琲の酸味や苦味の繊細さが分かる人物を指すのなら、
やっぱりそれを名乗る資格はなさそうだ。
好きな店で飲むコーヒーを、何とはなしにおいしいと思うときが、
僕はいちばん幸せである。

                            (2011年、岡本 仁さんのエッセイ。一部省略)

                         


この時期になると、新商品として コーヒー味のものがいろいろ出はじめます。
コーヒーぜんざい、コーヒークリームのパン、〇〇アイス(クリーム)のコーヒー風味…

厳寒の冬よりも 酷暑の夏よりも、秋の今頃の方が
ずっと”コーヒーの素敵な存在感”を感じるのはなぜだろう。


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テーマ:つぶやき - ジャンル:日記

りんのひとりごと | 20:07:30 | トラックバック(0) | コメント(5)
コメント
秋の今頃の方が
>厳寒の冬よりも 酷暑の夏よりも、秋の今頃の方が
 ずっと”コーヒーの素敵な存在感”を感じるのはなぜだろう。

〇なるほど、
 確かにコーヒーは秋が旨いですね。
2020-09-26 土 08:03:21 | URL | ささげくん [編集]
ささげさん
お久しぶりです。
コーヒー、なぜでしょうね。哀愁を含む感じだから かな。
それとも色がそう思わせるのかな。
人間の感覚って、未知ですね。
2020-09-26 土 19:38:36 | URL | コーヒー案内人 りん [編集]
私もコーヒーは好きな店で飲むのが好きです。

店の空気が、フワッとしていて
そこに人がいて
そこで静かに飲むコーヒーが好きです。
一人で店にはいって、
雰囲気を楽しみながら
店で飲むコーヒー
一番、好きです。
2020-09-30 水 07:13:19 | URL | 森須もりん [編集]
もりんさん
もりんさん。コメントありがとうございます。
すごくよく分かります、すごく、すごく。
コーヒー感を味わうのって、ひとりがいいですね。
静かに、がいいですね。
私は、コーヒー感が漂っているお店ならば、
たとえコーヒーを注文しなくても、アイスクリームだったりしても、
満足してしまいます。
2020-09-30 水 20:25:37 | URL | コーヒー案内人 りん [編集]
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2020-10-06 火 09:58:26 | | [編集]
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