2020-06-09 Tue
遅くなりましたが、今月の月替りコーヒーのご紹介です。ブルンジ・カヤンザ。
ブルンジ って、アフリカの内陸の、小さな小さな国です。
北海道の3分の1くらい・・・四国の1.5倍くらいの大きさの国です。
アフリカ大陸が大きいから、すっごく小さく見えます。

こんなところにある国ですが、全然暑くない。
サバンナもありません。
平均気温は18℃くらい。
国自体がだいたい標高1500m以上で、山がちの国なのです。
ルワンダ とともに、『アフリカの中の気候的・環境的な国』と言われています。
コーヒーの主な産地は、北部の高地 カヤンザ県。
ブルンジでは、高地は”リトルスイス”と喩えられます。
この国は こんなに小さいのに、人口がすごく多いのです。1000万人を超えています。
そして、主な輸出品が金とコーヒーであるために、
コーヒー農家が多い多い!
労働人口の90%は『山岳農業(コーヒー・茶・綿花など)』に従事しているらしい。
そのほとんどが小規模農家です。
その数 8万。
でも貧しくて肥料を購入できないので、
虫取りまで手作業で 丁寧にコーヒー栽培をしています。
こんなにまで ほぼ国全体がコーヒーに関わっているのに、
タンザニアやルワンダの陰にかくれて 知られることがありませんでした。
しかし実は、1930年頃のベルギーの植民地だった時代から 既に、
ブルンジの人々は良質な生産方法を熟知していたようです。
何度も言うように、コーヒーというのは 植物で、実がなった、
その時点では果実であり、赤や黄色などの”実”です。果肉に包まれています。
それを精製したものが 生豆であり、その形で私たちのところに入ってきます。
その、精製処理をするところ・・・精製所、『Washing Station』。
ブルンジの生産農家は、そうして丁寧に育て 収穫した豆を
Washing Stationに持ち込みます。
現在、ブルンジ内で 280ものWashing Stationがあるそうですよ(過去5年でwet millersが倍増したらしい)。
今回 当店でご紹介する豆は、カヤンザ県の中のkibingo(キビンゴ)というところにあるWashing Stationのもの。
そこだけでも、生産者3500名18集落の生産農家の豆を精製しています。
実はこの地は、ナイル川の源泉として知られているところなのだそうです。

(画像はお借りしました)
・・・恥ずかしながら初めて知ったのですが、ナイル川って『青ナイル』と『白ナイル』があるんですってね。
『青ナイル』はエチオピアのタナ湖が源泉地と言われていますが、『白ナイル』については諸説あるらしく、
その中でも最も南にあるのが ブルンジ なのだそうです。



読んでみたい… (画像はお借りしました)

ブルンジのコーヒーが知られるようになったのは、
2012年がきっかけ。
この年に、世界的なコーヒー品評会 Cup of Excellence が ブルンジで開催されました。
アフリカ大陸では、第2番目の開催(第一番目は ルワンダ)。
その時、高品質スペシャリティコーヒーの生産国として注目され、
世界でも知名度が高まっていきました。
その後、年間500万~700万本もの、主にブルボン種の苗木を新植し、古木の植え替えをしたり。
HoneyCoffeeの精製のために最新テクノロジーを導入したり。
前述した、倍増したWet millers(水を使って果肉除去する装置)も、色々な認証団体(フェアトレード、レインフォレスト、オーガニッ ク、カフェプラクティスなど)の
認証団体の認証作業が進んでいるそうで、
2022年までに 全施設の60%が準拠する予定なのだとか。
グングン成長し、アフリカ他国の有名どころ(タンザニアやケニアなど)に負けない、
良質なコーヒーの栽培地となりました。
近年は、15,000t~20,000tの生産量で安定しています。
ただ、この国は小さいのに人口が特に多く、しかもコーヒー農家が多いので、
コーヒー栽培等の農業開発が進んで嬉しい反面、
そのために、湖に土壌が流れてしまって。
アフリカで2番目に大きい”タンガニーカ湖”が、水質汚染のリスクにさらされている、という問題もあるそうです。
…なぜ、コーヒーの栽培地って、こういうところなんだろう…
コーヒー業界で買い付ける方の人間は、心しなければいけないなあ と思います。

ブルンジのコーヒー。
とてもきれいな味です。アフリカの、新しい、新しいきれいさ。です。
アフリカならではの力強い酸味とはちょっと違う、フレッシュで人懐っこいさわやかさが、
ほんのりやさしい甘みの上に、乗っかっている感じ。

(画像はお借りしました)
ぜひ、味わってみていただきたいです



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