2019-05-19 Sun
パナマと言えば、『パナマ”芸者”』っていう 高~いコーヒーがあったよねー、・・・なんていう人が多いのではないでしょうか。
そうね。高いですね。
それより何より、『芸者』ではなくて、”ゲイシャ種”という、コーヒーの木の種類、であることを
まず理解して下さいね。

パナマという国にコーヒーが到着したのは、19世紀の初め。
エチオピアやブラジルなどの、古くからのコーヒー生産地とは違って、
比較的歴史が浅い、新しい生産地です。
一番最初は、西高地の『ボケテ』の地に持ち込まれ、そこの微妙な微気候がコーヒー栽培に最適だということが発覚し、
栽培がはじまりました。
バル火山のおかげで高度が高く、大西洋から来る冷たい風雨が夜間の低温をもたらし、
最高の芳香を持った風味になるのです。
ハートマン農園は、1950年に ラティボール・ハートマン氏が 濃い森の木陰に創業しました。
現在は、その息子・娘5人兄弟が力を合わせて運営している 家族経営農園です。
彼・彼女らは、何よりも、先代が大事にしていた信念”持続可能な農業”を受け継ぎ、頑張っています。

異常気象が続く地球。
この先もずっとずっと美味しいコーヒーを栽培するにあたり、持続可能な農園であることは
何よりも重要なことです。
環境に影響を受けコンピューター制御の施設でコーヒー栽培をするようになれば、
どの国のどのコーヒーも特徴や味気のない、つまらないただの飲料になってしまうのですから。
このハートマン農園では、
アラン氏がコーヒー加工工場の支配人、
アレクサンダーが農場のフィールドマネージャー、
アリスが管理マネージャー、
ケリーは現在 農場の外で働く、
…と手分けして農園を守っています。
農園の土地全体を放牧地にすることなく、エコツーリズム活動に使用することで
農業の持続性プログラムと結合させているわけです。
ですから、この農園内には鳥だけで300種以上、そして他の野生動物も観察することができます。
スミソニアン博物館の研究員が住み込んで観察しているほど、素晴らしい環境を保つ農園なのです。
この農園内で、コーヒーツアー ・ コーヒー教育コースの他、
ハイキング・トレッキングツアー、バードウォッチングツアーなども並行して行っています。

…行ってみたいですね。
日本って、こういう 環境活動が非常に遅れている国だと思うので。
しっかりと未来の地球環境を意識して生きている土地に訪れて、目を覚まさなければいけないのかもしれません。
因みに、
コーヒー教育ツアーでは、
〇コーヒー植物学
〇土壌管理
〇品質管理
〇マイクロロット収穫
〇カッピング …etc
が学べるそう。

コーヒーツアーには『ゲイシャコーヒーツアー』や『品質管理ツアー』 などがあり、それぞれ
パナマゲイシャの歴史、産地、木のメンテナンス などの説明を受けながらゲイシャ農園・加工場などを回ったり、
加工・管理・焙煎などの作業を実際に見て回り、カッピングなどをしたり、
・・・というプログラムが組み込まれているようです。

そんな素晴らしい志のコーヒー生産農園のコーヒーの味と言えば、
やわらかく、尖った刺激が全く無く、
素晴らしくフレッシュで華やか。
”酸味”と言ってもすっぱ~い!なんていうものではなく、心地よく健康的なさわやかさ。
ふわっと漂う自然な香りに、当店のお客様は思わず「何、これ!」とびっくりなさるのです。
焙煎士も私も、思ってもいなかったお客様の嬉しそうな反応に、
とまどっているくらい。
・・・当初仕入れた生豆が足りなくなり、急遽 再び仕入れに入っています。
ぜひ、味わってごらんになりませんか。
ぜひ!


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