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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
自分の中で、コーヒーにつながったことなど をつぶやいています。

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ナチュラル!ナチュラル‼ ”エチオピア・グジ・ナチュラル”について
少々優しめの月替りコーヒーが続いたので、
この辺で びっくりものを紹介します。
今月の月替りコーヒー ”エチオピア グジ ナチュラル”です。
有名どころでないコーヒー、なのです。

もともと、グジでもコーヒーは栽培されていて、
それでもその豆は ”シダモ”の豆としてまとめて扱われていたようです。

ところが近年、”イルガチェフ”のように品質が高いものは
シダモからいわば『独立』して扱われるようになってきました。
”グジ”も、”イルガチェフ”と並ぶ高品質な豆として注目され、
取引されるようになったのです。


”グジ”というのは地名。どこにあるかというと、
こんなところなんですね。

イルガチェフとグジの位置関係


最初、「イルガチェフのすぐ近くです」と聞いていました。
実は、
それで必死に場所を探したのですが見つからず、悩んで悩んで・・・

  (このページにも、はじめは間違った位置を表示していました。
訂正しています。すみません。)

  『シダモ地区』の中にないじゃないか!
  ・・・ただ単に、「シダモとまとめて」扱われていただけだったんですね。
 正確には、違う州。オロミア州なんですね。


エチオピアでは、

  〇 ”コーヒー”という名前の由来になっている  中西部のカファ地方、
  〇南部の シダモ地方・ジンマ地方、
  〇中東部の ハラー地方、

が主なコーヒー生産地です。
グジのあるオロミア州は、南部の中でも最高の栽培地。


     


さて、
味は、というと。

・・・試飲なさると、皆さんまず、 沈黙  です(笑)
だって、何て表現したらいいのか分からないんですもの、この風味。
何の香りか、何の味か、
複雑に複雑に複雑に絡み合って、・・・なんともユニークで魅力的!なんですけど、
それが”いい”とか”悪い”とか、判断しかねる、その範疇を越えている、
いやユニーク!実にユニーク!としか表現できない味なんです。


  小さい頃、山道で見つけた赤い実を食べてみた時の思い出の味?
  田舎のおばあちゃんの、おいしいお漬物の味?
  いや、フランスの三ツ星レストランの一皿のグルメ料理?


分からない・・・


しかしとにかく、
コーヒーの苦味の味とはほど遠い、植物系の野生の風味のはじける、
明るい華やかさのある風味、なのです。



                      



なぜこんな個性の強い味なのでしょう、
そもそも エチオピアという国のコーヒーは
だいたいはこんな感じの個性があるにはあるのですが、
この『強烈さ』には、別の理由があります、


  それは、”ナチュラル”ということ。


”ナチュラル”?って、どういうことか と言うと、
コーヒーの実 から、生豆をとり出す時の、ひとつの手法です。



コーヒーの実からコーヒーの生豆をとり出す方法は、
大きく分けて現在は3種類、あります。

  〇ナチュラル(=乾式、自然乾燥式)
  〇フル・ウォッシュト(=湿式、水洗式)
  〇パルプトナチュラル(=セミ・ウォッシュト、半水洗式)


の、3つ。

( )内を見るとだいたい分かりますが、収穫したコーヒーの実を
  そのまま(実がついたまま)乾かす か、
  水に浸けて果肉をとってしまって洗ってから乾かす か、
  その中間か、
の、違いです。


水を使用する『フル・ウォッシュト』と『パルプトナチュラル』は、
乾燥前に果肉を取り除いてしまうので スッキリと洗練された味に仕上がります。
しかし、
実のままダーッと広げ、果肉の水分がなくなるまで乾燥させてから脱穀する『ナチュラル』は、
熟した実の風味と発酵した風味が複雑にしみこみ
フルーツ?花?果てはワイン?のような味わいに仕上がるのです。


     実が付いたまま乾燥させる


                      



その、昔ながらの製法による野性的で素朴で自然な風味が、
すべての人にとって 美味 とは限りません。
少し前まで『フル・ウォッシュトコーヒー』の方が 飲みやすくきれいな味だと
ブームになっていたのですから。
この数年は、モカに代表される『ナチュラルコーヒー』の独特の個性感が見直されるようになりました。



ひとり時間や 定年後のゆったり時間、
多忙な毎日のストレス解消のひととき、などを大切にしようとする人々が増え、
ゆっくりとさまざまな味の一杯を楽しむ ということを
生活に組み込む方が出てきたのかもしれませんね。


「こんな味って、・・・あるんだぁ!」

じっくり楽しんで下さい。
その価値のある、コーヒーですよ





                                 





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テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

アラビア | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
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