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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
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果実の味、コードブラック
”エルサルバドル コードブラック”

「なんだか苦そう」
そんなことをイメージさせる名前のコーヒーですが、
この”ブラック”は、焙煎の濃さ(黒さ)ではありません。
苦みとは無関係です。


『コードブラック』というのは、いわば精製方法の名前のひとつで、
『ボイア』とも呼ばれます。
コーヒーの実を樹上で黒くなるまで完熟させてから収穫する方法です。


通常コーヒーは、コーヒーチェリーが赤く(又は黄色く)色づいたものを収穫します。
それから その実の部分を落とし、種子を取り出して乾燥させ、生豆となります。
しかし このコーヒーは、樹に実をつけたまま、
果肉の水分がなくなってレーズンのように黒くなるまで待ってから収穫するのです。
こんなことして何になるのでしょう?
・・果物やトマトと一緒です。
ぎりぎりまで枝につけたままにすることで、糖度を極力増加させよう!
という方法なのです。

樹上完熟コーヒー
          こんなふうに黒くなるまで。

でも、飲んでみると”甘い”よりも ”果実感”の方がずっとずっと前に出ていますね。
モカ系の華やかな果実感とは全く違って、落ち着いた静かな感じ。
NONAKAに常時置いてある エルサルバドルは、他のどれよりも素直な味で好まれていますが、
やはりその素直な性質は、この コードブラック にも感じられるのです。


親がたっぷりの愛情を注いだ結果です。


  この『コードブラック』(=ボイア)という方法は、実は親木が犠牲になります。
  光合成で蓄えた養分を完全に子ども(豆)の方にめいっぱい送ってしまうので、
  親木の寿命が短くなってしまうのです。
  そのため、大農園ではリスクを恐れてこの方法では栽培しません。
  小さな農園で、余裕のある農園が 差別化を図って工夫しているのです。


そう、
今回紹介するこの『エルサルバドル コードブラック』を栽培した農園は、
シベリア農園”という優良農園です。
標高が高く、気温が低い冷涼な環境であることから”シベリア”と名付けられたこの農園は、
1870年に創業、現在4代目がマネジメントしていますが、
他にも5つの農園を所有しています。
”シベリア農園”はその中で一番大きい農園で、
いわばコーヒーの世界的品評会である”Cup Of Excellennce”で入選常連の農園なのです。 

       農園主 ラファエル・シルバさん
         農園主 ラファエル・シルバさん



               



  昔と違って、コーヒーは苦いだけの飲みものではなく、
  豊かな風味を持ち、種類や焙煎によって異なる味わいをもつもの として
  嗜好・評価の分かれるものに大成長しました。
  そんな中、世界中の生産地では少しでも良いもの、特徴のあるものを栽培しようと
  工夫をこらすようになっています。

  ”コードブラック”もその工夫の一つと言えるかもしれません。


…場所によっては、何とかして珍しいもの、高価で売れるものを作ろうとして
精製途中の発酵槽に『マンゴーピュレ』を入れたりしている所もあるようです。
『イースト』、『乳酸菌』などを入れてみるところもあるとか。
本当なんだろうか・・・それは、どうなんでしょうね・・・って感じですが。
台湾の森高珈琲とかいうところには、『乳酸菌湿式精製』なんてメニューがあるらしいけど、
これのことだろうか?



なんだか悲しくなってしまいます。
いや コーヒーに対して、そんな突飛なことしなくても・・・

  今、日本で手に入る珈琲だけでも、ちゃんとそれぞれ独特の風味を持っています。
  珈琲には、添加物で味付けされた食べものみたいにはなってほしくないですね。
  




   珈琲を愛するものとして 磨くべくは、

    人間の感性の方。でしょう


エルサルバドル・コードブラック。
果実感。感じて下さい。



                                  
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テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

アメリカ | 20:00:00 | トラックバック(0) | コメント(9)
コメント
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2017-12-10 日 23:01:28 | | [編集]
鍵コメさん
鍵コメさん、いつも見て下さってありがとうございます。
そして、早速のご注文ありがとうございます。
コーヒーってこんなにもいろんな種類、風味があるのですね、
あらためて ああ、農作物なんだなあと思います。
こうもいろいろあると、コーヒー屋をやっている私は何が何だか分からなくなってきます。
私もちょっと一旦、消費者の立場に戻ってみたいなあ…
2017-12-13 水 20:40:15 | URL | 珈琲案内人 りん [編集]
エルサルバドル・コードブラック。
いろいろあるのですね。

私はコーヒーは大好きなのですが
詳しいことは、全くわかりません。
そのときそのときの、出会いで楽しんでいます。

話がそれますが
私は映画ファンで若いとき、かなりたくさん観ました。
でも監督だとか脚本だとか、なんにも知らないで
その時の気持ちで観ていました。

何においても、知識があるほうが楽しいですね。
もっと美味しいコーヒーの出会いの枠が広がりそうですものね。

2017-12-30 土 21:38:13 | URL | 森須もりん [編集]
もりんさん
もりんさん、ご無沙汰しております。お元気ですか?
コメントに気付くのが遅くなり、申し訳ありません。

いやもりんさん、素敵じゃないですか!
その時の気持ちで映画を観る、それこそ大事なことだと思いますよ。
映画製作者は、何も知らずにそのできあがった映画だけから何かを受け取ってもらうことを望んでいると思いませんか。
だって、私、学生の頃 映画製作してたんですもの!

コーヒーだって同じです。
知識なんかいりません、好きなように味わうのが一番!
2018-01-12 金 21:32:23 | URL | 珈琲案内人 りん [編集]
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2018-09-20 木 07:17:31 | | [編集]
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2019-04-06 土 22:59:22 | | [編集]
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2019-05-10 金 18:34:04 | | [編集]
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2019-07-20 土 16:24:49 | | [編集]
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2019-09-06 金 06:42:52 | | [編集]
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