2017-04-07 Fri
「キリマンジャロって、置いてないんですか?」という質問を、よく受けます。
「ありますよ。タンザニア・キボーも、タンザニア・エーデルワイスもキリマンジャロです。」
そう答えると、皆さん???な顔。 混乱されるようです。
どういうことでしょう?
タンザニアで栽培収穫された”水洗式”かつ”アラビカ種”のコーヒー豆のことをすべて、
日本では 『キリマンジャロ』と呼んでいいことになっているのです。
キリマンジャロ山で穫れていなくても、キリマンジャロなのです。
さて、
キリマンジャロと呼んでもいいのですが、
せっかく、プランテーションでなく小規模農家が栽培収穫したものなのだから
出自が明確なものは粒も味も揃って整っているのだから、ちゃんと区別してあげましょうということで
”タンザニア・エーデルワイス”。
素敵な名前『エーデルワイス』は、農園の名前です。
タンザニア国の、エーデルワイス農園で栽培収穫されたコーヒー、ということです。
タンザニアという国は、30の州で構成されています。
このエーデルワイス農園は、その中の北部にある アルーシャ州 にあります。
アルーシャ州の中の、オルデアニ山の傍の カラトゥ にある農園。

タンザニアとひとことで言っても。
土壌を調べてみました。
土壌を地域別に見ると、面白いほど肥沃度が異なります。
国の中央部なんて、全くダメみたいです。
ドドマ州、スィンギダ州あたりは砂質かローム質で、肥沃度は非常に低いとか。
タンザニアの主なコーヒー産地は、
北部高地と、南部高地とルヴマ州(アラビカ種)、
湖西地域(ロブスタ種)。
ここらあたり ↓

プロマーコンサルティング作成地図より
アルーシャ州は、北はケニアに接していますね。
なるほど、豆の形も味も、力強さがケニアと似ています!
アルーシャ州オルデアニ地区は、
火山の大噴火によってできた巨大なカルデラ ”ンゴロンゴロクレーター” のそばに位置します。
…と、いうことは?
コーヒーの栽培に最適な土壌。火山灰土、なのですね。

こんな感じらしいです ↓

ンゴロンゴロクレーター ”トラベラー”さんのHPより
とはいえ、コーヒーの生育条件は、土壌だけではありません。
ンゴロンゴロクレーターの外輪も、地域地域によって気候が違うのです。
カルデラはぐるりと乾燥した壁になっていて、切れ目がないのだとか。
東にあるインド洋から来る水蒸気で、降水量が決まるのです。
カルデラ外輪の 南~東斜面 は、インド洋から東風が当たるので降水量が多く、
インド洋の恩恵を受けられない カルデラ内部 と 北~西斜面 は、乾燥地帯になっています。
アルーシャ、なるほどンゴロンゴロの東にありますね。
火山灰土で降水量多い。コーヒー栽培にはもってこいです。

お米のことを考えてみましょう。
どこで栽培されていても、同じ品種なら”コシヒカリ””あきたこまち” … と呼ばれます。
新潟であれ、秋田であれ、愛媛であれ。
いわば、”国産コシヒカリ””国産あきたこまち”なわけですね。
でも、今では、『〇〇県の〇〇地方の(誰々さんが栽培した)〇〇というお米です』が手に入ります。
その方が品質が一定していて、安心だし、
思わぬ美味しいお米に出逢えることも!
コーヒーも、日本でも今、ひとつの農園で丁寧に品質管理されたものが手に入るようになっているのですよ。
キリマンジャロ、か・・・。
昔からよく知っている名前だし、いい豆と思い込んでいる人も多いと思うけれど、
いや確かに、ここまで名前が有名になったことはすごいことだけれど、
タンザニアのどこで栽培されたか分からない、”キリマンジャロ”よりも、
せっかくなら”タンザニア・○○”というコーヒーを飲んでみませんか。
明らかに”キリマンジャロ”よりもしっかりした風味をもつコーヒーです。
エーデルワイス農園のコーヒー。
焙煎珈房NONAKAでは何度か登場していますが、
しっかり自分を持った 力強く滑らかな風味、
非常に評判がいいですよ



- 関連記事
-
- キリマンジャロなんだけど タンザニア・エーデルワイス (2017/04/07)
- タンザニア・エーデルワイスとキリマンジャロ (2015/02/07)
- パンチパーマの酸味 (2014/12/27)
当喫茶きまぐれでもタンザニア・エーデルワイス、を主要銘柄として使っておりますが、生憎現在生豆の在庫が無くなりました。
今朝は、コロンビア・ウィラ・サンアウグスティン・スプレモを焙煎した処です。
次回以降に、タンザニア・エーデルワイスを焙煎する予定です。
以前、この豆を使う前のタンザニア系は、キボーでした。
今週は、モカ・イルガチェフ・G1・コチャレがメインになります。
もちろん、客も店主も私一人で兼任ですが(笑)。
今朝は、コロンビア・ウィラ・サンアウグスティン・スプレモを焙煎した処です。
次回以降に、タンザニア・エーデルワイスを焙煎する予定です。
以前、この豆を使う前のタンザニア系は、キボーでした。
今週は、モカ・イルガチェフ・G1・コチャレがメインになります。
もちろん、客も店主も私一人で兼任ですが(笑)。
MKさん、コメントありがとうございます。
お客さんも店主も店員も兼任・・・どんな感じなのでしょう。
「きまぐれ」という名前にしては本格的なお店ですね。
音楽にもお詳しいようですし、どんなにか素敵なお店なのではないですか。訪れてみたいです・・・。
エーデルワイス、当店ではすごい人気です。
イルガチェフも時々出しますが、これまたすごいです。
私はまだまだ不勉強なのですが、
コーヒーの味だけでなく、少しでもコーヒーから世界を広げて楽しんで下さるように、
ご案内していきたいと思います。
お客さんも店主も店員も兼任・・・どんな感じなのでしょう。
「きまぐれ」という名前にしては本格的なお店ですね。
音楽にもお詳しいようですし、どんなにか素敵なお店なのではないですか。訪れてみたいです・・・。
エーデルワイス、当店ではすごい人気です。
イルガチェフも時々出しますが、これまたすごいです。
私はまだまだ不勉強なのですが、
コーヒーの味だけでなく、少しでもコーヒーから世界を広げて楽しんで下さるように、
ご案内していきたいと思います。
>タンザニアのどこで栽培されたか分からない、”キリマンジャロ”よりも、
せっかくなら”タンザニア・○○”というコーヒーを飲んでみませんか。
明らかに”キリマンジャロ”よりもしっかりした風味をもつコーヒーです。
〇キリマンジャロコーヒー
コーヒーについては知らないことばかり、勉強になりました。
キリマンジャロコーヒーってキリマンジャロ産とばかり思っていました(笑)。
草々
せっかくなら”タンザニア・○○”というコーヒーを飲んでみませんか。
明らかに”キリマンジャロ”よりもしっかりした風味をもつコーヒーです。
〇キリマンジャロコーヒー
コーヒーについては知らないことばかり、勉強になりました。
キリマンジャロコーヒーってキリマンジャロ産とばかり思っていました(笑)。
草々
2017-04-10 月 07:16:30 |
URL |
ささげくん
[編集]
我喫茶きまぐれのタンザニア・エーデルワイス、発注しましたが入荷待ち。
結局昨夜、マンデリンG1を繋ぎにミディアムに焙煎。
今週は我慢しましょ(笑)。
結局昨夜、マンデリンG1を繋ぎにミディアムに焙煎。
今週は我慢しましょ(笑)。
話、面白かったです♪
でも庶民すぎる私は、
一番安いコーヒーが好きだったりして・・・
すみませんねぇ。。。
頭の中で 想像で
味を膨らませま〜す。
でも庶民すぎる私は、
一番安いコーヒーが好きだったりして・・・
すみませんねぇ。。。
頭の中で 想像で
味を膨らませま〜す。
MKさん、入荷楽しみですね。
マンデリンで繋ぎですか・・・おおお。
当店ではマンデリンは多分他店よりも浅煎りなので、へなちょこな味です。エーデルワイスとは似ても似つきません(^^)
マンデリンで繋ぎですか・・・おおお。
当店ではマンデリンは多分他店よりも浅煎りなので、へなちょこな味です。エーデルワイスとは似ても似つきません(^^)
水咲さん、ご訪問ありがとうございます!
コーヒーの味って、値段は関係ないと思うんですよ。
そりゃ、希少な豆というのはありますが、だからと言って美味しいとは限りません。
人それぞれ、好き・美味しいと思うことが大事なのだと思います。
当店で一番安いnonakaブレンドなんて、すっごくすっごく美味しいんですよ!
コーヒーの味って、値段は関係ないと思うんですよ。
そりゃ、希少な豆というのはありますが、だからと言って美味しいとは限りません。
人それぞれ、好き・美味しいと思うことが大事なのだと思います。
当店で一番安いnonakaブレンドなんて、すっごくすっごく美味しいんですよ!
>タンザニアで栽培収穫された”水洗式”かつ”アラビカ種”のコーヒー・・・
勉強になります、アラビカとキリマンジャロって別物だと思ってした。
アラビカ豆は好きだけど、キリマンジャロは苦みがなあとそんなイメージ思ってましたが。
気のせいだったんですねえ。
ありがとうございました。
勉強になります、アラビカとキリマンジャロって別物だと思ってした。
アラビカ豆は好きだけど、キリマンジャロは苦みがなあとそんなイメージ思ってましたが。
気のせいだったんですねえ。
ありがとうございました。
ささげさん、コメントありがとうございます。
私もお客様と一緒に勉強させていただいている毎日です。
タンザニア産の水洗アラビカ種をキリマンジャロと呼べるようになったのは、
日本では1993年からなのだそうです。
私もコーヒーを知った頃の印象でキリマンジャロ山とがっしり結びついていたものですから、
それを知った時、愕然としました。
私もお客様と一緒に勉強させていただいている毎日です。
タンザニア産の水洗アラビカ種をキリマンジャロと呼べるようになったのは、
日本では1993年からなのだそうです。
私もコーヒーを知った頃の印象でキリマンジャロ山とがっしり結びついていたものですから、
それを知った時、愕然としました。
にゃん太郎さん、ご訪問ありがとうございます!
アラビカはアラビカでも、タンザニア産の、しかも水洗処理されたアラビカ種だけを
キリマンジャロと呼んでいいのだそうですよ。
コーヒーもなんというか、ブランド化していますからね…
ブルマン、キリマン、モカマタリ、って名前だけが独り歩きしてしまいます、
それは悲しいことです。
コーヒーの世界にも、にゃん太郎さんにとってのどこかの路地のように、
掘り出し物があったりします。
アラビカはアラビカでも、タンザニア産の、しかも水洗処理されたアラビカ種だけを
キリマンジャロと呼んでいいのだそうですよ。
コーヒーもなんというか、ブランド化していますからね…
ブルマン、キリマン、モカマタリ、って名前だけが独り歩きしてしまいます、
それは悲しいことです。
コーヒーの世界にも、にゃん太郎さんにとってのどこかの路地のように、
掘り出し物があったりします。