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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
自分の中で、コーヒーにつながったことなど をつぶやいています。

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一年間ありがとうございました。
今年も一年が終わりました。
お店では、今年もたくさんの人との出逢い、お付き合いがありました。
nonさんのコーヒーを求めて、どんなに暑くてもどんなに寒くても、
お客様はいらしてくださいました。
この一年間また、ありがとうございました。


コーヒーは嗜好品です。しかし、昔に比べて多くの人にとって、何となくでも日常に欠かせないものになってきています。
その味がどうであろうとも、”とりあえずお茶”としてであっても、
そばにあるものになってきています。
ところが、以前はインスタントや缶コーヒーで済んでいたものが、そのインスタントや缶コーヒーも趣向を凝らすようになって、
…そうすると消費者もその中で選んで味を求めることができるようになって、
皆、「コーヒーなら何でもいい」レベルを抜け出すようになりました。
バタバタと気ぜわしい日常を過ごすようになった人間は、この一服にせめてもの満足を求めるようになったのでしょうか。


自分で淹れるコーヒーは、誰でも簡単に同じように出来上がるコーヒーとちがって、
色々な工夫によって美味しくも不味くもなります。
豆の選び方、淹れ方。その場の雰囲気。
情報が有り余る現代で、探して辿り着くには本当に大変だけれど、
専門店であり決して「みんな来て来て」アピールのないひっそりとしたうちの店を、
勇気を出して覗いて下さった方々に、心から感謝しています。


芸術品や装飾品ではなく、一見して全部同じに見えるコーヒーというものは、
いいものだからと言って並べているだけではお客様には分かりません。
味を試してみないと分からない、でもどれを選んでいいのかも分からない。
…人それぞれ嗜好の異なるもの、こちらからおすすめ商品を押し付けることもおかしいことです。
だから私は「おすすめは?」と尋ねられても「していません」とお答えしています。
その方その方の希望をお聞きして、それなら、とやっといくつかご紹介するのです。


そうすると、お客様がその好みを相手に伝えるにも、こちらが紹介するにも、
『味を言葉に表現すること』が重要になってきます。
伝わらないことには分かりようがないからです。
皆さん、それに苦労なさっています。
「酸味がなくて、飲みやすくて、コクがあって、香りや味がほんのり甘いのがいい」
…こんな感じの言葉を、よくおっしゃいます。


コーヒーには苦味・酸味・甘み・渋み・コク・香りなどの要素がありますが、
実はそのそれぞれにも、『こんな』苦味、『あんな』苦味、と また違いがあるのです。
そしてまた、人それぞれの基準も異なります。
だから、コーヒーを言葉で紹介するのはとっても難しい。



でも、多くの人に知って欲しい。
そんなにたくさんの違いがあって、つまり、
そんなにいろんなコーヒーを選んで楽しめるのだということを。
みんなももっと、たくさんの言葉を駆使して求めるコーヒーを探してくれたらいいな、と思うのです。



            



私は、自分の仕事を”珈琲案内人”と称しています。
…そうです、ただの”案内人”なのです。
コーヒーのいろんな、いろんなことを知り尽くしてその味を作り出しているのは
コーヒー農家の人たちであり、そして焙煎士nonさんです。
私ではありません。私は、知っているのではありません。
コーヒー農家の人たちやnonさんの力に乗っかっているだけの人間です。
つまり、私も勉強中なのです。
皆さんと一緒です。


私はプロデューサーとして、一生懸命紹介していきます。
皆さんに、それが伝わってくれるといいな。

来年も、その先も。



今年も一年間、本当にありがとうございました。
コーヒーに興味を持って覗いて下さった皆さんに、
心から御礼申し上げます。





テーマ:つぶやき - ジャンル:日記

りんのひとりごと | 17:30:00 | トラックバック(0) | コメント(2)
果実の味、コードブラック
”エルサルバドル コードブラック”

「なんだか苦そう」
そんなことをイメージさせる名前のコーヒーですが、
この”ブラック”は、焙煎の濃さ(黒さ)ではありません。
苦みとは無関係です。


『コードブラック』というのは、いわば精製方法の名前のひとつで、
『ボイア』とも呼ばれます。
コーヒーの実を樹上で黒くなるまで完熟させてから収穫する方法です。


通常コーヒーは、コーヒーチェリーが赤く(又は黄色く)色づいたものを収穫します。
それから その実の部分を落とし、種子を取り出して乾燥させ、生豆となります。
しかし このコーヒーは、樹に実をつけたまま、
果肉の水分がなくなってレーズンのように黒くなるまで待ってから収穫するのです。
こんなことして何になるのでしょう?
・・果物やトマトと一緒です。
ぎりぎりまで枝につけたままにすることで、糖度を極力増加させよう!
という方法なのです。

樹上完熟コーヒー
          こんなふうに黒くなるまで。

でも、飲んでみると”甘い”よりも ”果実感”の方がずっとずっと前に出ていますね。
モカ系の華やかな果実感とは全く違って、落ち着いた静かな感じ。
NONAKAに常時置いてある エルサルバドルは、他のどれよりも素直な味で好まれていますが、
やはりその素直な性質は、この コードブラック にも感じられるのです。


親がたっぷりの愛情を注いだ結果です。


  この『コードブラック』(=ボイア)という方法は、実は親木が犠牲になります。
  光合成で蓄えた養分を完全に子ども(豆)の方にめいっぱい送ってしまうので、
  親木の寿命が短くなってしまうのです。
  そのため、大農園ではリスクを恐れてこの方法では栽培しません。
  小さな農園で、余裕のある農園が 差別化を図って工夫しているのです。


そう、
今回紹介するこの『エルサルバドル コードブラック』を栽培した農園は、
シベリア農園”という優良農園です。
標高が高く、気温が低い冷涼な環境であることから”シベリア”と名付けられたこの農園は、
1870年に創業、現在4代目がマネジメントしていますが、
他にも5つの農園を所有しています。
”シベリア農園”はその中で一番大きい農園で、
いわばコーヒーの世界的品評会である”Cup Of Excellennce”で入選常連の農園なのです。 

       農園主 ラファエル・シルバさん
         農園主 ラファエル・シルバさん



               



  昔と違って、コーヒーは苦いだけの飲みものではなく、
  豊かな風味を持ち、種類や焙煎によって異なる味わいをもつもの として
  嗜好・評価の分かれるものに大成長しました。
  そんな中、世界中の生産地では少しでも良いもの、特徴のあるものを栽培しようと
  工夫をこらすようになっています。

  ”コードブラック”もその工夫の一つと言えるかもしれません。


…場所によっては、何とかして珍しいもの、高価で売れるものを作ろうとして
精製途中の発酵槽に『マンゴーピュレ』を入れたりしている所もあるようです。
『イースト』、『乳酸菌』などを入れてみるところもあるとか。
本当なんだろうか・・・それは、どうなんでしょうね・・・って感じですが。
台湾の森高珈琲とかいうところには、『乳酸菌湿式精製』なんてメニューがあるらしいけど、
これのことだろうか?



なんだか悲しくなってしまいます。
いや コーヒーに対して、そんな突飛なことしなくても・・・

  今、日本で手に入る珈琲だけでも、ちゃんとそれぞれ独特の風味を持っています。
  珈琲には、添加物で味付けされた食べものみたいにはなってほしくないですね。
  




   珈琲を愛するものとして 磨くべくは、

    人間の感性の方。でしょう


エルサルバドル・コードブラック。
果実感。感じて下さい。



                                  


テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

この珈琲、どんなコーヒー? | 20:00:00 | トラックバック(0) | コメント(4)

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