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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
自分の中で、コーヒーにつながったことなど をつぶやいています。

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抵抗を感じながら楽しむ、ということ
  「最近は、なかなか・・・マニュアル車に乗れなくて。
  レンタカーなんかも、オートマばっかりで。」

試飲をしていただきながらお話していると、
お客様が、ぽつり と おっしゃいました。

車がお好きなのだそうです。
と言っても、『メカをいじる』ことではなく、車に乗ることがお好きだ、と。


   「オートマ車は、どんな時も どんな道も、勝手にちょうどよく走ってくれるので、
    自分で動かしている感じがないんですよね。
    例えば、わざと低速にして体で抵抗を感じながら
     エンジン音を楽しみたい時なんかもあるわけです」



私はあまり車に興味がないので考えたこともなかったのですが、
そのお話には なるほど・・・と思いました。


写真、も、そうかもしれません。
今のカメラって、えっ?そんなことできるの?ってびっくりするほど多機能。
でも、「趣味は写真」とひと言で言っても その意味はいろいろあって、
オートフォーカスだとか、撮影後に編集可能とか、
そんなのつまらない!と思う人たちがいるのではないでしょうか。


  全体に、世の中そういう風に動いていますよね。
  キレイに整っているのだけれど、
  なんというか、ツルツル。
  便利な方に便利な方に、流れていきます。

      うちわよりもエアコン。
      ほうきよりも掃除機。
      鍬よりもトラクター。
      レコードよりもデジタルオーディオプレイヤー。
      包丁よりもフードカッター。
      手書き手紙よりも電子メール。
      辞書よりも検索。


なんだか、”車”というのが 
楽しむものではなくて ただの『移動のための道具』になってしまっている気がします

ちょっと寂しいものがありますね、と話しました。


                  



そう言えば私も、そういうところがあります。
「パンが好き」なのですが、
パンを作る時は、フードプロセッサーやホームベーカリーはとんでもなくて、
ゼッタイ手で捏ねます。
あの、生地のいきいきとした粘りや弾力を、感じたいので。
パンを仕上げること」が目的ではなくて、
パンを作ること」が目的、とでも言いましょうか。



   何もかもが 簡単・便利・早く・キレイ を追求している世の中。
   
   コーヒーを楽しむためにも、いつか、人は必要なくなるのでしょうか。
   コーヒーマシーンが部屋の片隅に置かれ、
   いつでも簡単に、適当な味のコーヒーが飲めるようになるのでしょう。
   焙煎も、コンピューター制御で、生豆を入れたら勝手に煎り上がるようになるのでしょう。
    ・・・オシャレでスマートな暮らしですね。



      ・・・オシャレでスマート・・・。
 
  


                 



   

   今の世の中で、みんな、
   『楽しみ』って、どこに見出しているのだろう。


   便利になることで、失ってしまうものがある。
   失ったものは、とんでもなく大きいのではないだろうか。


           コンピューター制御コーヒーマシン
           コンピューター制御コーヒーマシン   日経BPのホームページより






テーマ:つぶやき - ジャンル:日記

りんのひとりごと | 20:30:55 | トラックバック(0) | コメント(6)
「風味って、これのことかぁ!」ニカラグア・エル・ボスケ
再登場、ニカラグアの、エル・ボスケ農園 ブルボン種100% です。

前回紹介した時は、店のPOPに、『飲みやすくない!』と書きました。
いろいろな風味が豊かにあるのですが、それぞれのベクトルがへっちょを向いていて、
まとまりがなくて…。???な味だったのです。
正直に『飲みやすくない』なんて書いたら、案の定、人気ありませんでした。


リベンジです。


今回はいい味にまとまっています。


ニカラグアは、中米の国。
ホンジュラスとコスタリカに挟まれた国。
ニカラグア地図


エル・ボスケ農園は、サンタ マウラという大農園の中央に位置する小規模農園です。
場所で言うと、ニカラグアの北部。ホンジュラスとの国境あたり。
サン フェルナンド市にあります。
この サン フェルナンド市の1万人の住民のうち 大半がコーヒー農家なのだそうです。
サンタマウラ農園は100年以上の歴史ある農園で、
伝統的な品種も、また近年は他の産地から持ち込まれた品種も栽培する、
多品種栽培農園です。


 ニカラグアという国でのコーヒー栽培は、他の中米生産国と少し違うのです。
 内戦時の混乱期、90年代の産地の新植・手入れの時、様々な品種のコーヒーをバラバラ植えたので、
 それが今でも残っていて、区画をしっかり分けて特定の品種を栽培していないところがあるのです。

 そんな中、このエル・ボスケ農園は100%ブルボン種を栽培している貴重な農園です。


農園といってもとても野性的な環境。
マツオークなどの野生の森林もあって、
コーヒーは バナナカカオの木々の間に密集している、という感じ。

 この豆”エル ボスケ”を口に含んだ時、「珈琲を飲んでいる」感覚とはちがう、
 不思議で複雑な味?香り?がする気がするのは、
 そういう環境だと知ってしまったからでしょうか…、
 ”ボスケ”とは、””という意味なのです、
    そうだ、そうです、これは、『森の味』なのです。



                  



本当は、珈琲って、どの豆もこのような香り・味を持っています。
ただ、その中のどんな特徴が強いかによって個性が出ます。
(悲しいことに、焙煎のしかたでその特徴を殺してしまっているものもあるかもしれません。)
この不思議で複雑な、ことばにするのが難しい感じ が、
いわゆる 『風味』 と呼ばれるもの
です。


    コーヒーを選ぶ時、よく言われるのが、
    「香ばしい香り・味のものを下さい」
    ということ。
    でも、どこのお店でもたいてい、コーヒーには説明書きがついているのですが、
    ”香ばしい”とはかけ離れた言葉が、ズラズラ並んでいる。

    「フルーティな」
    「ナッツのような」
    「チョコレートのような」
    ・・・そんなことが書かれているかもしれません、
    でもそしてきっと、
    それに魅かれて買って飲んでみて、
    ???チョコレートの味しないし・・・なんて思っているのではないでしょうか。



”香ばしさ”は、焙煎によって生まれる風味なので、
どのコーヒーも香ばしさは持っているはず、(…古くなければ)。
なので、
最近、珈琲店の商品の説明書きに書かれているのは、
それぞれの豆自体が持っている特徴なんですね。

  「 そんなこと言われても、
   コーヒー = 苦味と香ばしい香り なんだもの、
   フルーツとか言われても結びつかないもの。。。 」

そりゃそうです。
あれらは、コーヒー業界の人たちがコーヒーの評価をするのに使っている言葉であって、
一般の人々が馴染める表現ではないのですから。
分からなくっていいんです。


以前、”風味の難しさ”という記事を書きました、
その中で 『フレーバーホイール』 というものを紹介しました。
あれです。あの、訳分からない円盤に、この「フルーティな」・・・類いの言葉が
ズラズラと並んでいるのです。
『フレーバーホイール』とは、つまり、『”風味”をことばで表現する時の語彙表』なのです。


                


『風味』。
・・・って、いったい何なんでしょう。
非常に簡単に言うと、

    風味とは、味と香りをひっくるめたもの。です。




風味とは
                            <日本うま味調味料協会さんのページより>

フルーツの爽やかな香り。
ナッツの香ばしい香り。
チョコレートのコク甘い香り。
これらの香りを感じながら飲む、その時の感じが『風味』なのですね。

多くの人が、コーヒーの『味』に、すべてを求めようとしているようです
   チョコレートの味しないし。
   フルーツの味しないし。
・・・ちがうちがう。
香りを含めた味!それがコーヒーの楽しみが広がるポイントなのです。


            



さて、この”エル・ボスケ”
このコーヒーは、有無を言わさず香りと味が一緒に飛び込んできます。
あるお客様がおっしゃっていました、
  「なんだか 鼻で飲んでる感じー」


         そうそう、それが『風味』です!


この”エル・ボスケ”を味わったら、
「これが風味ってやつかぁ、、、」
と気付く方が多いと思いますよ





                                  





テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

この珈琲、どんなコーヒー? | 20:00:00 | トラックバック(0) | コメント(2)

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