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珈琲案内人りん

Author:珈琲案内人りん
珈琲豆屋の”案内人”やってます。
珈琲の味に限らず、珈琲の世界すべてが面白いので、
自分の中で、コーヒーにつながったことなど をつぶやいています。

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わきまえる、リキちゃんも、コーヒーも
今年もお盆に、お坊さんに来ていただきました。
子供の頃は、お経の抑揚がメロディがついているように聞こえて、
可笑しくて、笑いをこらえるのに必死だったのですが、
今ではその時間は とても静かで落ち着くいい時間 と感じられるようになりました。


法要の後、お坊さんが面白いことをお話して下さいました。


                



そのお寺さんでは、犬を飼っています。
大きな秋田犬、リキちゃんです。
お墓参りに行くと、帰りに、私はいつもぐちゃぐちゃになってリキちゃんと遊びます。


そのリキちゃん。
ちゃんと、しっかり、番犬の役割もしています。
でも、黒い服を着た人に対しては、絶対吠えないのだそうです。
お寺さんの犬・・・。
黒は悲しみの色、と認識しているのですね。

もともと心優しい犬で、
猫やカラスなどが自分のエサを食べに来ても怒らず、見て見ぬふりをしているのだとか。
・・・さすが、仏の心ですね。


  リキちゃんはどうやって自分がお寺の犬だと認識したのだろう。
  秋田県から飛行機で愛媛県まで送られてきた子犬の頃は、
  そんなこと知りもしなかったのです。


     うちに来る人たちはなんか違う、
     ただ訪ねてきているのではないらしい、
     何か意味があって来ているようだ、
     ああ 自分はお寺の犬なんだ、
     悲しみの人に対して、それ以上 負の感情を起こさせてはいけないんだ、・・・


リキちゃんは、
人を観る目を養い、わきまえをもって、
”お寺の犬”という人生(?)を生きているのです。





  人間でもそれができない人、たくさん居るのにな。
  わきまえのない人。
  言っていいかいけないか、
  その相手によって、
  その内容によって、
  その場によって、
   ・・・ということを判断できない、
  もっとすごいのは、
わきまえなきゃいけない という考えのない人。

リキちゃんに、負けてる(笑)


      リキちゃん
                 リキちゃん。



                      



私はコーヒー豆屋なので、
自分の店のコーヒー豆たちがお客様に購入された後、
どんな風に自分を発揮しているか を気にしてしまいます。

一番気になるのは、コーヒーたちが場をわきまえているかどうか、ということ。

誰もが経験していると思うけれど、コーヒーの風味って、飲む状況によって感じ方が変化します。
  朝起きてすぐなのか。
  おやつの時なのか。
  食後か。
  一日が終わって、落ち着いて一杯なのか。
また、
  コーヒーだけを味わっているのか。
  何かの食べものと一緒に飲んでいるのか。
  
  仕事しながら?
  読書しながら?


コーヒーだけをゆっくり味わっている場合は、
コーヒーたちに しっかり自分を発揮してほしい。
でも、何かのそばにあるのなら、
その”何か”を邪魔しないように、出過ぎないように、
存在してほしい と思うのです。

 「美味しいんだけど、『俺が俺が』状態にならないでほしい」のです。



・・・そして、どうだろう、
人を観ているかな。
うちの店から巣立って行ったコーヒーたち、




ちゃんと心から淹れてくれる人には、美味しく応えてあげているでしょうか。
いいかげんに淹れる人には、
「そんなんじゃイヤだもん」と いい味を出さずに戒めてあげているでしょうか。
















テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

りんのひとりごと | 19:00:00 | トラックバック(0) | コメント(3)
東ティモール 救世主発見の国のコーヒー
なんとも初々しい味のコーヒーが入りました。
東ティモール”産のルシオズというコーヒーです。
(『ルシオ』というのは、そのコーヒー農園をまとめている代表者の名前…正確にはその代表者の弟の名前、です。)


東ティモール。日本と時差のない国です。
さてどこにあるのでしょう。

   東ティモール地図

最近、スターバックスなどでちらっと出ていたりしますが、
一般に、コーヒー豆販売店や喫茶店ではあまり目にすることのないコーヒーだと思います。
大量に栽培されるコーヒーではないのです。
フェアトレードコーヒーとして、産地援助を受けていることで知られています。


  東ティモールという国は、いわゆる貧困国です。
  そんな中、農業は大事な産業なのですが、その国際競争力はとても弱いのです。
  全所帯の4分の1がコーヒー栽培に関わっているほど コーヒーも重要な農産物なのですが、
  その商品を磨く知識・技術を持っていない という状況が続いていました。
  外貨の獲得のためには、コーヒーが代表選手だというのに。

  そこで、世界各国から復興・開発支援の手が入りました。
  栽培、収穫、精製。
  せっかく好ましい環境でいいコーヒーが植えられているのです、
  管理をしっかりする知識と技術を、日本のPWJ(ピースウィンズジャパン)などが指導しています。
  今、ぐんぐん品質が良くなってきています。


ところで、
フェアトレード=公正取引。
『適正な値段で途上国から輸入することによって、
立場の弱くなりがちな途上国との関係を公平にしよう』
というもの。
他の商品ではなく フェアトレード商品を購入することで、生産者の幸せに貢献できる、と。
認定機関があり、最近は認定マークの付いた商品を並べる大手スーパーなどもあります。


  大切なことなのだろうけれども、実際、どうしたもんかなあ…と思う。
  認定されていない中でもフェアトレード商品はたくさんあります。
  フェアトレードの認定を受けるにはお金がかかるので。
  小規模農家などは認定審査にかけるお金もないだろうし。
  組合の中にも強弱関係はあるようだし、
  生産者の中でもやはり格差はあって、
  本当に本当に困っている人たちの手にお金が渡るのか?というと、ちょっと疑問。


   「かわいそうだから」買って”あげる”、というのは何か違う。
   買ってもらえるようにするために頑張ろう!という気持ちになってもらうような循環を作る、という必要があるんじゃないかと思うので。
   商品である以上、…消費者からお金をいただく以上、
   生産者は、その価値のあるものにする責任があると思うのです。
   いいものをいいものとして世に出すために、努力はしなくちゃいけないんだと思うのです。
   
   「いいな」と思って買ったものが たまたまフェアトレード商品だった、
   という方が、生産者さんたちのモチベーションも上がるのではないのかな…。



そもそも私には、なぜ途上国に対してだけフェアトレードが叫ばれるのか分かりません。
別に途上国が相手でなくとも、公正な取引をすればいいんじゃないの?という思いが頭から離れないので、
フェアトレードについてはここでは無責任に深く話さないことにします。



               



ところで、
東ティモールといえば、コーヒーの救世主が発見されたところじゃないか!



こんなことが、あったのです。




コーヒーというのは、”コーヒーノキ”という植物の実から穫れるものです。

コーヒーノキは植物なので、品種があります。

大きく分けると、コーヒーは2つの品種に分かれます。『アラビカ種』と『カネフォラ(ロブスタ)種』。
近年レギュラーコーヒーとして飲まれるコーヒーは、主に『アラビカ種』という品種です。
ロブスタ種よりも、格段に風味が良いのです。
でも実は、その『アラビカ種』は、”さび病”という病気に弱い。
(逆に、『ロブスタ種』は さび病に強い。)

  コーヒーさび病菌 というカビが原因で、木全体の葉を枯らしてしまいます。
  空気感染するので、木から木へ、農園から農園へ、国から国へ、感染。
  1860年代は東南アジアで、1970年代は中南米で大流行し、甚大な被害をもたらした、恐ろしい病気です。


   コーヒーさび病


そのせいで、コーヒー界は、さび病に強い品種を求めてさまようようになります。
 ”ケント種”、が見つかり、病気に強い品種を開発しようとします。
・・・でも、ある さび病 には強いのだけれど、新型のさび病には勝てない。

エチオピア野生種由来の品種の中でも 多くの国が協力して
必死になってさび病に強いものを探しました。
”アガロ”、”カファ”、・・・
そしてあの有名になった”ゲイシャ”もこの時に採取されました。
・・・でも、やはり 全てのさび病 に勝てるものではなかったのです。



        そんな中で、ティモール!ティモールに注目が!


1927年に、あるコーヒーノキがさび病に有効なことが判明しました!
それは、ポルトガル領東ティモールの個人農園で見つかっていたものだったのです。
ティモール、でかした!

先に述べた『アラビカ種』と『ロブスタ種』。
アラビカ種 は さび病に弱く、ロブスタ種 は さび病に強いのでしたね。
通常、アラビカ種とロブスタ種は交配できないのですが、この見つかったコーヒーノキは、
『アラビカ種』 と 『たまたま変異した(4倍体になった)ロブスタ種』 の間に生じた交雑種(ハイブリッド)であることが判明したのです。
このコーヒーノキは、すべてのさび病に対して優れた耐病性を発揮しました。

コーヒー品種


そしてこの品種は、ハイブリッド ティモール(Timor Hybrid、ポルトガル語でHybrido de timor)と呼ばれるようになりました。
 (ただし、香味はアラビカ種よりずっと少なく、ロブスタ種よりちょっといいかな、程度なので
 ハイブリッドティモールという品種そのままではそれほど流通していません。)
大事なのは、不可能と思われていた”アラビカ種との交配”ができるロブスタ種が存在することがわかったこと。
コーヒー界での大発見、救世主、なのです。


・・・という歴史がある国なのでした。



               



今回 月替りコーヒーとして紹介する『東ティモール ルシオズ』は、
ねらっていない風味なので、好感が持てます。
どうだ美味いだろォ!という押しつけが全く感じられないので、楽。
冷めると ちょっと変わったお茶みたいな風味もあり。

世界にはいろんなコーヒーがあるんだな、ということを
ぜひ楽しんでいただきたいと思います。



                                  





テーマ:コーヒー - ジャンル:グルメ

この珈琲、どんなコーヒー? | 19:00:00 | トラックバック(0) | コメント(4)

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