2016-11-17 Thu
渋谷に、”SPBS”という本屋さんがあるそうです。新聞で、知りました。
その、ある日の新聞記事に、うん!そう!と頷きました。

KOTBより (SPBS店の写真ではありません)
その、SPBS店の事業マネジャーさんの話です。

本屋さんは本がたくさんありすぎて選べない、という人が多いので、
うわー自分がどんな本を欲しているのか分からない!というふうにならないような店を作りたい、とのこと。
欲しいものが決まっていればWEB注文できる、
その後、購入履歴から”おすすめ”をされる。
それでも本屋さんに足を運ぶ人は存在する。
なぜか?
棚をみてまわっているうち、自分で思ってもない本に出逢う可能性やおもしろさがあるから。
その時の気分によって 欲しい本も異なるわけで、どの本に心が動くか分からないのだから。
生きることはすべてに関わるので、ジャンルごとにきっちり分けない。
店内の動線や、お客様とのコミュニケーションを、そんな思いで提供しているそうです。
『買ってもらえるのは、お客さんの気持ちと店側のアンテナがシンクロしたとき。
天気や気分やノイズも含めて、その瞬間、この空間だから選んでくれる。
それは、どんなアルゴリズムからも生まれない答えでしょう。
そんなふうに即興のジャズ演奏のように本を届けられたら、と思っています。』

珈琲豆店の案内人をやっていて考えていること と、同じなのでした。
珈琲も、そんなふうに楽しんでもらえたら。
そのきっかけになる店になりたい、と
ずっと思っているのです。
2016-11-07 Mon

相方の焙煎見学をしていたら、やきあがった豆の中にこんなのが↑あった。
まるまるっこい、コーヒーの実がそのまま焙けたもの。
これは、果皮の状態で焙けてしまったものです。
コーヒー豆と呼ばれる部分は、この中の中に入っているのです。
…で、割ってみた。出てくるかな。

出てきました。
手前のピンボケがコーヒー豆です。
奥の右側が硬い皮(果皮)部分、奥の左側がそのまた内側にある内果皮(パーチメント)。
コーヒー豆屋さんが豆を選っている姿を、見たことがある人、いるでしょう。
上の写真のものは、『コッコ』と呼ばれていて、欠点豆として はじかれてしまいます。
…コッコ。
ふふ。かわいい響き。
これは ポルトガル語です。「糞」という意味なんですけどね。
(この他にも、
未熟豆、発酵豆、虫食い、黒豆…など、コーヒーの味を悪くするものが混じっていることがあるので、
目で見て 手でひとつひとつはじいていくのです。)
コーヒーの味は、悪くなります。
でもこれらの豆を見つけるのは、私はキライじゃありません。
だってこのコッコだって、まるまるしてて可愛いし。
中がどうなっているのか、見てみたいですよね。
虫食いの豆を割ったら、虫が出てくるかな?と割ってみたら、
本当に出てきたこともありました。
あはは。出てきた。考えてみりゃ出てきて あたりまえ。
…なんて、楽しいじゃないですか。
せっかく珈琲に関わっているんだもの、コーヒーの味だけを追求するなんて勿体ない。
いろんな角度から珈琲を楽しみたいと思うのです。
ファッショナブルもプロフェッショナルもいいですが、
私はどうもそっちではないようです(笑)
五感で味わい尽くしたい。
疑問、好奇心を、コーヒーに。
その方が、挑戦心(!)で臨むよりも コーヒーが応えてくれるから、嬉しい。

可愛さあまって・・・。
こんなコーヒー豆の判を作ってしまいました。
↓


うちの店のポイントカードに、突然登場するのです
